漏り調査の費用はどのくらいが妥当?専門調査の流れと注意点

はじめに
「雨漏りが気になるけれど、調査にいくらかかるのだろう?」
そんな疑問をお持ちの方は多いはずです。実際、雨漏り調査の費用は調査の範囲や方法によって大きく変動します。単純に「数万円で済む」と思って依頼すると、思った以上の金額を提示され驚くこともあるでしょう。
本記事では、雨漏り調査の費用相場や妥当な金額感、調査専門業者の特徴、さらに調査の流れについて詳しく解説します。
雨漏り調査の費用はどのくらいが妥当か?
雨漏り調査には大きく分けて二つのタイプがあります。
- 修理を前提とした業者の簡易調査
無料または数万円で行われることが多い。ただし修理を受注する前提のため、公平性に欠ける場合がある。 - 調査専門業者による詳細調査
第三者的な立場で調査だけを行い、報告書を提出する。修理は別業者に依頼可能。公平性・精度が高いが、費用は相応にかかる。
特に後者の「調査専門業者」を選んだ場合、木造住宅であれば20万円+α程度が妥当な費用感です。
雨漏り調査の主な方法と費用相場
雨漏り調査にはいくつかの方法があり、建物の構造や症状によって適した手法が異なります。
それぞれの特徴と費用相場を理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断する材料になります。
下記は、いろいろなところがやっていますので例としてあげます。
調査方法 | 調査費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
目視調査 | 3万円〜10万円 | 最も基本的な調査。外壁や屋根を直接確認するが、原因を特定できないことも多い。 |
散水調査 | 5万円〜20万円 | ホースなどで水をかけて実際に漏水を再現。再現性が高く原因特定に有効。 |
赤外線サーモグラフィ | 10万円〜30万円 | 温度差を利用して水の漏水箇所を可視化。非破壊で精度が高い。 |
ガス調査 | 5万円〜30万円 | RC造で有効。ガスを充填し漏れ箇所を特定。高精度だが費用が高め。 |
電気抵抗調査 | 30万円〜50万円 | 材料の電気抵抗の変化を利用して漏水箇所を特定。高度な調査で費用も高いが精度はイマイチ |
紫外線調査液(発光) | 5万円〜25万円 | 紫外線で光る液体を使って浸入口を確認特定。サーモと併用すると効果的。 |
ドローン撮影調査 | 5万円〜 | 屋根の点検に活用。足場を組まずに安全に調査できるが、詳細な原因特定は別調査が必要。 |
ポイントまとめ
- 費用は3万円〜50万円と幅が広い
- 精度の高い調査ほど費用は上がるが(電気抵抗調査は除く)、原因特定の再現性も高まる
- 「安いから」という理由だけで選ぶと、結局再発して二重の費用がかかるリスクがある
👉 最適なのは、複数の調査方法を組み合わせて行うこと。
たとえば「散水調査+サーモグラフィ+発光調査」を組み合わせると、確実に原因を突き止めやすくなります。調査手法ごとの費用感
雨漏り調査は手法ごとにコストがかかります。例えば:散水調査は絶対条件ですが、その他どのような手法を組み合わせるかで精度が違ってきます。(たまに、散水を行わずに調査するところがありますので注意が必要です、散水しなければほぼわからないと思ってください)
特に以下の調査方法は精度があがります。
- 赤外線サーモグラフィ調査
壁や天井内部の温度差を可視化して水分の温度分布を取得。高性能機器と専門的な解析が必要で、
10~20万円程度。 - 紫外線調査液(発光)調査
紫外線で光る特殊液を流して浸入箇所を特定。精度が高い反面、液体注入や観察に時間と技術が必要で、
10~20万円程度。
つまり、どちらか一方だけでも10万円以上は必要です。両方を組み合わせた場合は飛躍的に精度が上がりますが、どちらか一方だけでは、原因によっては調査自体が難しくなる場合があります。最終的に20~30万円前後になるのが自然な相場といえます。(漏水箇所が1箇所の場合)
雨漏り調査専門業者を選ぶメリット
なぜ調査専門に依頼するのが望ましいのでしょうか?
- 公平性がある
調査と修理を切り分けているため、「修理のために大げさな診断をする」といったリスクが少ない。 - 複数の調査手法を組み合わせられる
サーモグラフィ・紫外線調査液・散水試験などを組み合わせ、確度の高い原因特定が可能。 - 詳細な報告書がもらえる
写真付きで「どこから水が浸入しているのか」「修理にはどの範囲が必要か」を明確に提示。修理業者への比較見積りにも活用できる。
結果として「原因不明で何度も工事をやり直す」といった二重三重の費用を防げます。
雨漏り調査の一般的な流れ
調査専門業者に依頼した場合、おおよその流れは次のようになります。
- ヒアリング・現地確認
発生状況(いつ、どのタイミングで雨漏りするか)を聞き取り、現場を目視確認。 - 仮説の立案
浸入の可能性がある箇所を特定し、どの手法で調べるかを計画。 - 調査実施
散水試験、赤外線サーモグラフィ、紫外線調査液、ドローン撮影などを組み合わせて検証。 - 結果の分析
調査結果を整理し、雨水の浸入経路と再現性を確認。 - 報告書作成・説明
写真やデータをまとめた詳細報告書を提出し、原因・修繕範囲・再発防止策を提示。
調査費用が高く感じても妥当な理由
「20万円は高い」と感じる方もいるでしょう。しかし、雨漏り調査は誤診が最も高くつく調査です。
- 原因を特定できず、工事を繰り返すと結果的に数十万~数百万円に。
- 内部腐食やカビ被害が進行すれば、構造補修や全面リフォームが必要になる可能性も。
そのリスクを避けるための“正確な診断料”と考えれば、20万円前後はむしろ妥当な投資といえます。
まとめ
雨漏り調査の費用は、調査の目的と手法によって大きく変わります。
- 無料や数万円の簡易調査は、修理前提で公平性に欠けることがある
- 公平性を重視した専門調査は20万円+α程度が妥当
- サーモグラフィや紫外線調査液など、手法ごとに10~20万円かかる
- 詳細調査で原因を特定することが、結果的に余計な工事を防ぎ、トータルコストを抑える
雨漏りで困っている方にとって、「まず正確な原因を突き止めること」が最優先です。早めに調査専門業者へ依頼し、確実な報告書をもとに修理計画を立てることが、最も賢い選択といえるでしょう。