「雨漏りの原因が分からないときはどうする?シミだけの場合の確認方法も解説」

「天井にシミがあるけれど、どこから漏れているのか分からない」

「雨の日に濡れていたような気がするが、実際に漏れているところは見ていない」

「何度か補修したけれど、原因がはっきりしない」

このような相談は、雨漏り調査では珍しくありません。

ただし、最初に確認しなければならないのは、

「本当に雨漏りなのか」

という点です。

天井や壁にシミがあるからといって、必ずしも雨水が原因とは限りません。

設備配管からの漏水、結露、過去の雨漏り跡など、雨漏り以外の原因でシミや濡れが発生していることもあります。

そのため、原因が分からないときには、いきなり「雨漏りの原因箇所」を探すのではなく、まず現在起きている現象を整理することが重要です。

まず「本当に雨漏りなのか」を確認する

雨漏りと判断するうえで非常に重要なのが、

「雨が降ったときに実際に漏水しているか」

です。

たとえば、

・雨が降ると天井から水滴が落ちる
・強い雨のときだけ壁が濡れる
・風を伴った雨のときに漏れる
・雨が降り始めて数時間後に漏水する

といった現象が確認できている場合には、雨水が原因である可能性が高くなります。

一方で、

「天井にシミがあるだけ」

「いつ濡れたのか分からない」

「雨の日に漏れているところを見たことがない」

というケースでは、雨漏りなのかどうか自体がまだ分からない状態です。

この場合には、まず「雨漏り有無確認」という考え方になります。

シミがあるだけでは原因は判断できない

天井や壁にシミがあると、多くの方はまず雨漏りを疑います。

もちろん雨漏りの可能性はありますが、シミの原因にはほかにもあります。

たとえば、

・給水管や排水管などの設備漏水
・エアコンや設備機器からの漏水
・結露
・過去に発生した雨漏りの跡
・一時的な水濡れ

などです。

見た目だけでは、雨漏りなのか設備漏水なのかを判断できないこともあります。

そのため、調査では発生状況や建物構造を確認しながら、まず何が起きているのかを整理していきます。

雨漏りが確認されている場合は浸入箇所を探す

一方、雨の日に実際に漏水していることが確認されている場合には、雨水の浸入箇所を調査していきます。

一般社団法人サーモグラフィ調査技術協会では、雨漏りであることが確認できている案件については、原則として最初にお見積りした調査範囲の中で、雨水の浸入箇所を確認するまで調査を進めます。

調査では、

・目視確認
・散水試験
・赤外線サーモグラフィ
・紫外線調査液

などを組み合わせながら、原因候補を一つずつ確認していきます。

雨漏りは、最初に疑った場所から必ず浸入しているとは限りません。

一つの箇所を調査して漏水が再現しなければ、次の原因候補へ進みます。

このように、建物構造や漏水状況を確認しながら調査を進め、雨水の浸入箇所を絞り込んでいきます。

見積りは「調査1回分」ではなく原因確認までを考える

雨漏り調査を依頼するとき、

「調査日に原因が見つからなかったら、また料金がかかるのでは?」

と心配される方もいるかもしれません。

協会では、雨漏りであることが確認されている場合、基本的には最初のお見積りの中で、浸入箇所を確認することを目的として調査を行います。

つまり、

「何時間調査したから終了」

「その日に見つからなかったので調査終了」

という考え方ではありません。

もちろん、建物の状況や調査範囲が当初の想定と大きく異なる場合、高所作業や新たな仮設設備が必要になる場合、別の雨漏り箇所が追加で確認された場合などには、別途費用が必要になることがあります。

しかし、当初確認した雨漏り箇所については、原因となる浸入箇所を確認することを目的に調査を組み立てます。

雨漏りではなかった場合はどうなる?

調査を進めた結果、

・設備配管からの漏水だった
・結露による水分だった
・過去の雨漏り跡で現在は漏れていなかった
・雨水による漏水が確認できなかった

というケースもあります。

この場合には、「雨漏りの浸入箇所を特定する」という調査ではなくなります。

特に、雨の日に漏水を確認しておらず、天井や壁のシミだけを見て依頼された場合には、まず雨漏りが現在発生しているのかを確認する必要があります。

このような調査は、「雨漏り有無確認」として考えるのが分かりやすいでしょう。

雨漏りであることが確認できれば、そこから浸入箇所を探す調査へ進みます。

一方で、設備漏水など別の原因が確認された場合には、その原因に応じた専門業者による確認や修理が必要になります。

なぜ最初のヒアリングが重要なのか

雨漏り調査では、現地での調査だけでなく、事前のヒアリングが非常に重要です。

たとえば、

・雨漏りした日時
・その日の雨量
・風向き
・風の強さ
・雨が降り始めてから漏水までの時間
・過去にも同じ場所で発生したか
・過去にどのような補修を行ったか
・現在も濡れているのか、シミだけなのか

といった情報です。

こうした情報によって、

「雨水による可能性が高いのか」

「設備漏水も考える必要があるのか」

「どこから散水を始めるべきか」

といった調査計画が変わります。

雨漏り調査は、現場に行っていきなり水をかけるものではありません。

過去の状況を整理し、建物構造と照らし合わせながら、原因候補を組み立てていくことが重要です。

原因が分からないときほど、先に補修しない

原因が分からない状態で、

「とりあえず怪しいところをシーリングしてみよう」

「ひび割れを全部埋めてしまおう」

と補修を先に行うと、その後の調査が難しくなることがあります。

補修によって一時的に水の流れが変わり、本来の原因が分かりにくくなることもあります。

また、実際には雨漏りではなく設備漏水だった場合には、外壁を補修しても当然改善しません。

そのため、原因が分からないときほど、

「まず何が原因なのか」

を確認してから補修することが重要です。

雨漏り調査で確認するのは「事実」と「推測」

雨漏り調査では、すべての水の動きを直接見ることはできません。

壁内や天井裏、躯体内部など、目視できない場所もあります。

そのため調査では、

・どの場所へ散水したか
・どのタイミングで変化が現れたか
・赤外線サーモグラフィでどのような温度変化があったか
・紫外線調査液がどこで確認されたか
・実際にどこから漏水したか

といった確認できる事実を整理します。

そのうえで、建物構造などをもとに、壁内部でどのように雨水が移動したのかを推測します。

調査報告書では、確認できた内容と推測される内容を区別し、補修箇所や補修方法の提案につなげていきます。

「原因が分からない」からこそ調査する

雨漏り調査を依頼される方の多くは、そもそも原因が分からないから相談されています。

原因がすぐに分かるのであれば、調査そのものが必要ない場合もあります。

大切なのは、

「雨漏りであることが確認できているのか」

それとも、

「シミや濡れはあるが、雨漏りかどうかも分からないのか」

を最初に整理することです。

雨漏りであることが確認されている場合には、散水試験や赤外線サーモグラフィ、紫外線調査液などを組み合わせて、雨水の浸入箇所を確認していきます。

一方、雨の日の漏水を確認していない場合には、まず雨漏りの有無を確認するところから始めます。

一般社団法人サーモグラフィ調査技術協会では、現在起きている現象を整理したうえで、建物や漏水状況に応じた調査方法を検討しています。

「原因が分からないから、とりあえず補修する」のではなく、

「原因が分からないからこそ、まず調査する」

ことが、適切な補修への第一歩です。

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